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歯に付着したヤニのとり方

ホワイトニング

歯にヤニが付着する3つの原因と歯の着色を取り除く効果的な歯磨き方法とは

更新日:

こんにちは、おくちせれぶです!

喫煙者の方は、自分の歯についたタバコのヤニ汚れのヒドさを見て驚いたことはありませんか?

しかも、磨いても磨いても汚れがなかなか除去できないという経験もあるかと思います。

さらに、喫煙者の口臭はタバコの臭いがしてしまうこともあります。

私が歯科医師だった頃には、歯に付着したヤニを落としに、喫煙者の方が定期的にクリーニングに訪れていました。

タバコを吸わない人から「あの人のヤニ汚れはがヒドイ」と

言ってくることも結構多いですよ

「ちゃんと磨いているんだけど、すぐヤニがついちゃうんですよね」

「明日、大事なお客さんと会うからキレイにしておきたいんです」

「見た目が汚らしくて笑った時に相手の視線が口元に来ている気がする」

など、多くは仕事などの接客や彼氏または彼女にバレないようにしたいなどの対人関係で、歯の汚れを気にされ悩んでいる患者様が多かったです。

ヤニって色が濃いから結構目立つんだよね

特に、近年の禁煙ブームもあって歯のヤニ汚れに敏感な人が増えたようです。

それらの状況の変化によっても、喫煙者の方も気にされる方が増えてきていたような気がします。

しかし、残念ながら市販の歯磨き粉だけではいくら歯を磨いても汚れが取れない場合が多く、中には歯の表側は綺麗なのに、歯の裏側は真っ黒なんていう方もたくさんいらっしゃいました。

また、タバコのヤニは歯周病のリスクを上げるだけでなく歯石などにもベットリとくっつくので、安易にホワイトニングをしても効果を得られないときがあるので注意が必要です。

そんなタバコのヤニ汚れですが、実は24時間以内であれば歯磨きによってほとんど除去することができるんです。

意外かもしれませんが、ヤニがついてもすぐに磨けば簡単に落とせますよ

また、唾液の性質の改善やミネラルの問題を解決すると、そもそも歯にヤニがつきにくくなります。

もちろん、歯の表面をツルツルにすることも歯に着色するのを防ぐのに有効です。

さらに、意外と知られていないのが頑固なヤニ汚れと歯石の関係です。実は頑固なヤニ汚れは歯石が着色してしまっていることが多いんです。

それらを解決することで、多くのヤニ汚れの悩みが解決されます。もしくは、歯科医院での軽いクリーニングで解消されると思います。

ヤニ汚れがなくなると、かなり印象が変わりますよ

そこで今回は、見た目の問題に深く関わるこのヤニ汚れの問題について、できるだけ詳しくわかりやすいように解説していきたいと思います。

そのためにまずは、なぜヤニやコーヒーなどの着色が歯に付着するのかについてから解説していきたいと思います。

タバコの場合はヤニが歯の表面に付着します。

お茶やコーヒーなどの場合はステインが付着するものとタンニン酸が沈着するものとがあるのですが、いずれにしてもその着色メカニズムには多くのこのような共通するものがあるのです。

なぜタバコのヤニは歯の表面にくっつくのか?

歯の表面にヤニがついてしまう原因には次のような要因が考えられています。

●ペリクル
●時間による反応
●歯の表面構造

これらとその他の要因が複雑に絡み合って、歯にヤニが付着する人と付着しない人とが別れてしまいます。

その違いを理解するために、この要因について順番にみてゆこうと思います。

口の中の硬いもの全てを覆うペリクルについて

お湯の張った浴槽に鉛筆で文字を書こうと思っても、なかなか難しいと思います。

ましてや、水に流れがある場合はどんどん洗い流されてしまいますので、よほど特殊な方法を使わなければ不可能に近いと思います。

ということは、本来であれば濡れているところに何かをくっつけるということはとても難しいことですよね。

お口の中も常に唾液で潤っていて、歯の表面も濡れています。

また、唾液が出るところはある程度限られていて、開口部という場所から様々な方向に流れを作っています。

ですから、基本的には歯は着色がつきにくいようになっています。

しかし、それでも着色してしまうのは「ペリクル」という物質が深く関与しているからなのです。

ペリクルとは、ムチンや酸性プロリン含有タンパクなどと呼ばれる聞きなれない物質から構成される唾液タンパクです。この唾液タンパクが凝集されて作られる0.1~0.2マイクロメートルほどの厚さをもつ膜のことをペリクルといいます。

専門的には獲得皮膜という呼び方もするんですよ。歯の健康のためには獲得しておきたい膜でもあります

このペリクルという膜は、歯の表面にあるカルシウムイオンやハイドロキシアパタイト結晶に唾液タンパクが引き寄せられることで作られます。

またそれと同時に、そのペリクルを介してカルシウムイオンやS-S結合体が架橋体となって着色物質を吸着させてしまいます。

歯と着色物質を橋渡しのようにつなぐことから架橋体と呼ぶんです
ペリクルはくっついたりくっつかれたりするのが得意なんだね。

このようにして架橋体の上にヤニのような色素や、タンパク、金属イオンなどが重なって歯の表面に付着してしまいます。

ただし、ホワイトニングを行なった直後にはこのペリクルが消失してしまうため、かえって着色物質の感受性が高まってしまうともいわれています。

このことより、ペリクルには適切な量と性状があるのだろうと考えられています。

詳しいことはまだこれから解明されるのを待っているところです

歯の表面についた汚れに起きる時間による変化

陶材などのような着色しにくい材料であっても、長時間放置してしまえば湯飲みについた茶渋が取れにくくなってしまいます。

自宅でタバコを吸われる方が、引越しの際に家の壁の黄ばみが取れなくて苦労されたというお話もよく聞きますね。

このような着色の性質は歯に対するタバコのヤニにも同じように見られる反応です。これにはいったいどのようなものがあるのかといいますと

●褐色化反応
●縮合反応

という2つの反応が関与してきます。

褐色反応とは、たとえば野菜を空気中に放置すると褐色に変化することと同じ反応です。歯に付着した様々な着色物質も、時間の経過に伴って褐色に変化してゆきます。

縮合反応とは、物質同士が結合して塊になってゆく反応のことをいいます。歯の場合、その表面に着色物質が何層にも重なると、それらが硬く強固に縮まった塊になって歯ブラシでは落とせなくなってしまいます。ちなみに、茶碗についた茶渋もこの現象が起こっている状態になります。

時間の経過とともにこのような変化を生じるだけでなく、タバコのような繰り返しの行為によって唾液の干渉作用の能力を超えると、流れ落ちる前にタバコのヤニが重なってゆきます。

これらの結果、歯についたヤニは強固なものとなってしまうようです。

硬くくっついてしまう前に汚れが落とせるかどうかですね

歯の表面の形状による着色について

実は、ペリクル自体は歯ブラシで簡単に除去できるものです。

意外!

むしろ、歯ブラシ程度の力であってもよく落ちてしまうことが問題となることがあります。ペリクルのない歯の表面は酸や着色物質などの感受性が高くなってしまうと言われていて、脱灰や変色を起こしやすくなってしまうからです。

しかも、一旦ペリクルを除去してしまうと、およそ1時間はペリクルが回復しないといわれています。

ペリクルがあれば着色物質を吸着してしまいますが、なければ歯そのものに着色を招くので厄介なものですね

陶器や金属で出来た灰皿にタバコを置きっ放しにしていても、それほど簡単にはヤニが付着してしまうことはありませんよね。

また、着色してしまっても洗えばすぐに落ちるような色の付き方をします。

一方、ティッシュペーパーのようなものを口にあててタバコを吸うと、一口ほどでヤニがつくことが知られています。

着色というものにはもともとそのような性質があり、歯についてもやはり独特の着色行程があるわけです。

歯の場合、たとえば生えたての赤ちゃんの歯は先端がギザギザしています。それが次第に噛み合わせたり歯ぎしりをしたりすることによって摩耗してゆき、平らになってゆきます。

ですので乳歯やはえたての永久歯などは表面構造が粗いため細菌や着色物質が付きやすいといわれています。

そして、成熟した永久歯になってくると表面が滑らかになってきて付着物が減ってくるといわれています。

ただ、大人になるといろいろな慢性疾患を持つことが多くなります。それに伴い服薬が増えたりすることで唾液量が減って着色しやすくなる場合や、唾液の成分の変化などがペリクルに影響を与える可能性も示唆されています。

それによって、表面が滑らかな永久歯であってもヤニ汚れのような着色をしてしまうことがあるのだろうと考えられています。

その他にも、

●歯並びが重なってしまっていて歯ブラシの届かないところ
●歯磨き粉が苦手な人
●開口というずっと口を開けている人
●口腔内が乾燥しやすい人

は着色の傾向が強いようです。

タバコによる着色の原因のヤニとは何か?

一般的にタバコのヤニと呼ばれている物質は、いったい何なのでしょうか?

ヤニとはタバコの煙に含まれる「タール」のことをいいます。

このタールという物質は、石油由来の物質のように思われがちですが、実際はタバコに限らずものが燃える際に発生する物質をまとめて呼ぶときの名称です。

様々な重金属や化学物質など、数万種類が含まれているといわれていますが、まだ全てを解明されてはいないようです。

では、このタバコのヤニが歯についてしまったら、どうやって落としてゆけばいいでしょうか?

順番に見てゆきたいと思います。

歯の着色の効果的な落とし方

歯についてしまったヤニ汚れを落とすには、そのヤニがどの程度強く歯に付着してしまっているのかという観点でみて対策してゆく必要があります。

それには以下の2つの場合があります。

歯が着色して間もない場合(薄い茶色の場合)
歯が着色してから時間が経っている場合(黒に近い着色)

これらについて順番に見てゆきましょう!

キレイにヤニを落として笑顔を明るくしてくださいね!

歯が着色して間もない場合の対策

歯にヤニが付着してしまってからそれほど時間が経っていない場合は、歯の表面正常やペリクルの性質などにもよりますが、ほとんどの場合は歯磨きで着色を落とすことができます。

え〜、あんまり落ちなかったけどなぁ

確かにちゃんと磨いていてもヤニが落ちないという方も中にはいらっしゃるのですが、その場合に多くみられるのが、歯ブラシがちゃんと歯の面に当たっていないということです。

そこでチェックしてほしい項目をいくつか挙げてみます。

  • 歯が重なっている所にもブラシが届いているか?
  • 歯が丸まっている部分にも沿わせて磨けているか?
  • 歯ブラシが往復する回数は少なくないか?
  • 歯磨き粉は使っているか?
  • 歯磨きの後にタバコを吸っていないか?

基本は歯の面に対して直角にブラシが当たることが望ましいのですが、実は意外と出来ていない場合が多いです。その代わり、ちゃんとブラシが当たっている部分にはヤニが付着しないという現象も起こっています。

こちらの動画を参考にしてみてください。

まずは歯磨きがしっかり出来ているか?をよく見直してもらえればと思います。

 

歯が着色してから時間が経っている場合の対策

歯にヤニが付着してしまってから時間が経ってしまい、黒ずんできてしまった場合には縮合反応が起こってしまている可能性が高いため、歯ブラシによるヤニの除去は難しくなってしまっています。

そのような時は、下で触るとザラザラした感じがしていますので、その感触を目安に歯ブラシによる除去は諦めた方がいいでしょう。

それほどに強固になってしまったヤニ汚れについては、強めの薬液や強力な器具を使っての清掃が必要になってきてしまいます。

歯科医院で専用の機械を使ってキレイにしてもらってください。

私の経験では、強固に付着したヤニ汚れは専用の機械を使っても容易に落とすことは出来ませんでした。

下手に自分でやろうとしてしまうと、歯の表面に傷をつけてしまったり、歯茎を傷めてしまったりして、かえって問題を悪化させてしまうことがあるので注意が必要です。その結果、知覚過敏や脱灰が起きるなどいいことがありません。

また、そのままにしておくことにも注意が必要です。着色物質は歯の表面に付着していますので、表面が凸凹としてしまいます。その凹凸の部分はやはり清掃性が落ちるので細菌の繁殖しやすい環境となってしまいます。

ヤニによる粘り気も残っていることがあり、更に汚れを悪化させてしまうということも考えられます

通常であれば数回でヤニ汚れは除去することが可能ですので、面倒がらずに歯科医院を受診してくださいね。

裏技!どうしても歯科医院に行きたくなかったら・・・

歯の表面のヤニ汚れは24時間以内であれば歯磨きで落とせるということをお伝えしましたが、それよりも時間が経ってしまうと着色の除去が難しくなってしまいます。

ただ、歯石が付着していないのであれば、24時間が経過していてもまだ自力でヤニ汚れを落とすチャンスがあります。

それは「電動ハブラシ」を使うことです。

これでダメなら歯科医院に行ってくださいね

実は、歯科医院でも歯のヤニを除去する際に最初に使われるのが専用の清掃器具に装着した歯ブラシです。

これには回転式のものと音波振動のものとがあるのですが、私の歯科医師時代の感覚としては回転式の器具と研磨剤の併用でかなりヤニ汚れが取れていたと思います。

歯ブラシによるヤニ汚れの除去のポイントは、歯ブラシが往復する回数です。何回も何回も繰り返し磨けば、ある程度までの着色なら落とすことができます。

擦る回数が単純に多ければ汚れが落ちるという当たり前のような話ですが、強固なヤニ汚れはかなりの回数を擦る必要があります。

そこで、歯ブラシよりも簡単に、もっとたくさん歯を擦ることが出来るのが電動歯ブラシです。電動歯ブラシの場合は回転式だけでなく音波式のものでも一定の効果が得られました。

電動歯ブラシは普通の歯ブラシのように、大きく往復させるような使い方はせずに、1箇所に止まらせて10秒ほど歯にブラシを当てるように使います。

ただし、やりすぎると摩擦熱が発生してしまうことがありますので、しっかりと研磨剤を歯面に塗って細かく角度や位置を微妙にずらしながら使うことがコツになります。

この方法で、ある程度の強さになってしまったヤニ汚れも落とすことができるようになりますし、普段から着色しないように防ぐこともできます。歯科医院に行く前に使ってみることを検討してもいいかもしれません。

まとめ

いかがでしたか?

歯に付着するヤニ汚れについて、おわかりいただけたでしょうか?

健全なペリクルを維持するには、規則正しい生活がとても重要になります。

健康状態によって唾液の性状や量が変化してしまわないように、日頃から気をつけてほしいと思います。

また、毎日の歯磨きも歯にヤニを付着させないためには大事なことです。

そもそもヤニは数万種類の化学物質から出来ていますから口の中に滞在させておかない方がいいと思われます。

うえ〜、たしかにキモチ悪い

最近では電子タバコが出てきてヤニ汚れが起きないことが言われていますけれども、そもそも電子タバコで吸い込む粒子がタバコよりも身体に悪いことが示唆された文献が多数報告されていますので、安易に手を伸ばすことは危険かもしれません。

出来たら禁煙が望ましいのですが、難しいようでしたら、固まったヤニを落としに歯科医院を訪れて、その際に歯磨きの仕方のチャックもしてもらうと再びやに汚れがつくのを防げると思います。

歯のヤニを落として、綺麗な歯で毎日を過ごしていただけたら嬉しいです。

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おくちせれぶの発起人。自分の歯並びや口臭などにコンプレックスを抱えている。世の中の間違った「歯」の問題を解決するために現役歯科医とタッグを組み情報を提供中。

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