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歯茎が腫れたときの治療法とは

歯肉炎・歯周病

歯茎が腫れたときの歯科医院での治療法とは?腫れる原因ってなんなの?自分でできる対策はある?

更新日:

こんにちは!おくちせれぶです

今回は歯茎が腫れてしまった時について解説していきますよ!

突然歯茎が腫れてきたら驚いてしまいますよね?

今までも何回か腫れていたし、歯磨きの時によく出血していた、などということもあったかもしれません。

けれども、それまでとは違って、痛みも強かったり腫れが大きかったりしていて「これはいい加減、歯医者に行かなくてはいけないかもしれない」などと思うほどの場合もあるのではないでしょうか?

けれどもその前に、

  • 自分で対策ができることはないだろうか?
  • 治療するとしたらいったいどんなことをするのだろう?
  • せめて痛みだけでも除去できないだろうか?

このようなことをお考えのあなたに、この記事では歯茎が腫れた原因や対策についてお教えします。

もし、一刻も早く歯茎の腫れだけはひかせたい、適切な処置を行いたい、などとお考えなら今回の記事が参考になればうれしいです。

原因を知っておくことで適切な処置がわかりますし、不必要に怖がらなくて済みます。そこで、この記事では前半に歯茎が腫れてしまった原因をお伝えすることから始めて、後半には歯茎の腫れの対策をご紹介します。

早めの対処が肝心ですよ

あなたの歯茎の腫れが速やかに治ってくれることを願っています。

歯茎が腫れる様々な原因を解説

歯茎が腫れてしまっているのはとても心配です。

このままヒドイ症状になってしまうのではないか?と不安になってしまうかもしれません。

今すぐにでも治したいと思っている  かもしれません。しかし、残念ながら歯茎が腫れてしまったと一言でいっても、その原因は様々な状況が考えられます。

歯茎の腫れはただでさえ見分けがつきにくく、複雑なメカニズムによって生じるので、専門家であってもなかなか判断ができない難しいものです。

そこで、まずは歯茎が腫れる原因にはどのようなものがあるのかを知っておいてもらうことで、適切な処置を選んでほしいと思います。

歯茎が腫れる病気には次のようなものがあります。

歯茎が腫れる代表的な病気

  • 歯肉炎
  • 歯周炎(歯周病の急性炎症)
  • 根尖性歯周炎(歯根の中の病気)
  • 智歯周囲炎(親しらずの腫れ)
  • 火傷や外傷

これらを引き起こす原因には次のようなことが考えられています。

病気を引き起こす原因

  • 歯磨き習慣がない
  • 歯磨きの回数が少ない
  • 歯磨きの時間が短い
  • 歯ブラシが的確に当たっていない
  • 歯周病にかかっている
  • 大きな虫歯がある
  • 差し歯をしている
  • 歯の神経の治療をしたことがある
  • 歯茎から膿が出る
  • 親知らずがちゃんと生えていない
  • 熱いものを食べた
  • 硬いものを食べた

いかがでしょうか?このうちのどれかに、あなたも当てはまりそうですか?

もし当てはまるものがあるようでしたら、これらを改善することが大切です。

稀に薬用の歯磨き粉を使用しても腫れがひくこともあるのですが、それは免疫抗体の都合もあって症状が落ち着いただけにすぎず、病態自体は継続して悪化してしまうかもしれません。

身体が免疫を作ることを抗体反応と言います。これは通常3日くらいでできるといわれています

だから風邪も3日くらいすると落ち着くんだね

症状を改善することも大事だけど、原因を取り除くことはもっと大切なことです

また、しばらく様子をみていると腫れ自体は治って痛みも和らぐこともありますが、それの場合の多くはより病態が悪化して慢性化したときに起こります。

お口の中の出来事とはいえ、歯や歯茎も体の一部ですから全身症状との関係も考慮して日頃の生活を見直して予防していくことも大切なことです。

適切な処置をして、日常生活から改善して理想的な張りのあるピンク色の歯茎を目指してくださいね。

歯茎の腫れを放置してしまったらどうなるのか?


歯茎の腫れが開始される場所には、大まかに2つの場合があります。

  • 歯肉からの炎症
  • 骨への炎症

これらのうち、「歯肉からの炎症」には

  • 歯肉炎
  • 歯周病
  • 火傷、外傷
  • 親知らずの腫れ

が分類されます。また、「骨への炎症」には根尖性歯周炎が分類されます。

これらのうち火傷や外傷以外はその原因がどちらも細菌感染による炎症になりますので、細菌の除去が必要になります。これを放置すると、繁殖している細菌のうち悪玉菌の方がどんどんと多くなってきてしまいます。

そうなってしまうと、身体にとってはたまったものではありません。粘膜や皮膚を通過すると、そこはもう身体の内部になりますから、何もバリアしてくれるものはないので大変なことになってしまいます。

腐った点滴をしているようなものですよね

どのようなことが起こってしまうかといいますと、

体に入った細菌によって起こる害

  • 骨が吸収してしまう
  • 血管に細菌が入ってしまう
  • 身体の各臓器に菌が運ばれてしまう
  • 免疫反応が常時起こってしまう
  • 活性酸素が生じて遺伝子を傷つけてしまう

というようなことが体内で起こり、人智では分かり切らないほどの全身での反応を起こします。その結果、

  • 皮膚炎
  • いろいろな全身症状
  • 歯が抜けてしまう
  • 骨から膿が出る
  • 骨の炎症を起こしてしまう
  • 糖尿病の悪化
  • 誤嚥性肺炎
  • 早産
  • 心疾患

などの病気を発症してしまう可能性が高まります。

単純にお口の中の出来事だからと甘く見ないで、しっかりと処置をしていくことをおすすめします。

あなどるなかれ!

歯茎が腫れた時に取るべき正しい対処法はこれ!

では、実際に歯茎が腫れている時にしなければならないことや、自分で出来る対策、また繰り返さないための予防方法などについてお伝えしたいと思います。

歯肉炎の場合

そもそも歯肉炎とは、歯磨きが不十分な時などに生じるプラーク(汚れ)によって引き起こされる炎症です。その炎症の範囲が歯肉だけで保たれているものを歯肉炎と呼びます。

この歯肉炎は、丁寧に歯磨きをして清潔にすることで回復することが多くの研究報告で明らかになっています。まれにひどい急性症状のときは抗生物質を飲むこともあります。

ただし、歯肉が炎症によって腫れてしまっている場合は、歯ぐきが弱くなってしまっています。ですから、強く歯ブラシを当ててしまうと歯ぐきの表面が破れてしまって傷がついてしまうことがあります。

炎症がひどくならないように注意しなきゃね

歯周炎の場合

歯周炎は歯周病にかかってしまっている人に起こる、歯肉や歯を支える歯槽骨と呼ばれる骨を破壊する炎症です。歯肉炎との違いは、炎症が骨にまで及んでいることと、炎症が治っても骨や歯周組織は完全には元には戻らないという点です。

通常、この病気になってしまうと自分一人での対処では困難になってしまいます。

専門家が長年研究していても、まだ歯周病を完治させる方法がわかっていないくらいだからね

歯科医院で「スケーリング」や「SRP」という処置を受けて、時には手術まで行なって改善を目指します。

歯ぐきより上にある歯石を取ることを「スケーリング」、歯茎の中に入っている歯石を取ることを「SRP」って呼びます

ただし、専門家に治療を任せっきりにしていてはこの病気を治すことは難しいです。日頃のセルフケアが非常に重要になってきます。さきほど歯肉炎のところで触れたように、再び炎症を起こさせないように丁寧なブラッシングが重要です。

そして、もっとも重要なことが、日頃から歯周病にならないように気をつけて過ごすことです。
CoQ10やビタミンCが必要ですし、多くのミネラルを補給しておくことも有効です。

*痛みがない場合も多いので注意しなくちゃいけないんですよ

この歯周炎による歯茎の腫れに対しては、基本的に「スケーリング」や「SRP」などの「機械的清掃」が対処法となります。

しかし、それでも回復がみられにくい場合には抗生物質の投与が必要になりますが、歯周病の菌はバイオフィルムという膜に覆われているため効果が出にくい時があります。このバイオフィルムを壊すために機械的清掃が必要であったり、抗生物質に工夫を要する時があります。

根尖性歯周炎の場合

根尖性歯周炎は一般的には「根の病気」ということで知られています。

通常の歯周炎とは異なり、その感染源は歯の神経が元々あった根管にあります。ですから、根管の中の感染を除去しない限りは半永久的に菌が骨に向かってで続けてしまいます。

骨がまだしっかりしている状態では、それが壊されていく過程で強い痛みを生じます。この病気は主に骨に病巣を作るだけでなく、瘻孔(ろうこう)と呼ばれる通り道を作り、粘膜や皮膚に穴を開けます。たまに瘻孔が結合組織や粘膜との空隙に達した場合には顔が腫れるということもあります。

これを蜂窩織炎(ほうかしきえん)といいますが、このようになってしまったらその圧力で激しい痛みを生じることがありますので、メスなどで穴を開けて膿を出すなどの緊急処置を取ることもあります。

これを防ぐには、まずは虫歯にならないことが大切ですが、もしなってしまったとしても虫歯が小さなうちに治療しておくことや、古くなって隙間の生じた被せ物をやり直しておくことが重要になってきます。

また、治療方法としては一般的に根管治療が行われますが、時折抜歯に至ることもあり得ます。この病気の時にも、抗生物質の投与が有効である場合がありますので、歯科医師に相談してくださいね。

 

この病気のほとんどの場合、自力による改善は難しいですから速やかに歯科医院を受診してもらえたらいいと思います。

火傷・外傷の場合


火傷や外傷などによっても歯茎が腫れてしまうことがあります。

火傷の場合、コロッケや天ぷらなどの熱い食べ物を食べた時に生じることが多いようです。また、熱々のコーヒーやお茶などを飲んだ際にも火傷を起こして腫れてくることがあります。

揚げ物などの場合には、衣の硬さも関連しているようです。衣の硬い部分や尖っている部分が歯茎を傷つけて腫れてしまうことがあります。

これらは基本的には清潔にして自然治癒を待つことがいいでしょう。

ただ、水ぶくれが出来てしまったり、ひどい火傷や長引く症状があった場合は歯科への受診をおすすめします。

また、強い圧力をかけて歯ブラシをした場合にも歯茎が腫れてしまうことがあります。誤った歯間ブラシの使い方や、デンタルフロスの使用によっても同様に歯茎が腫れてくることがあります。

熱々のうちに食べるのはとても美味しいのですが、ぜひ気をつけて召し上がってくださいね。

 親知らずが腫れた場合

現代人は歯の大きさの合計に対して顎が小さい傾向にあります。そのため、親知らずは退化傾向にあるとされ、斜めに生えてしまったり、その他の歯と一直線上に並ばなかったり、埋もれたままになってしまったりと、その状況は様々です。

また、通常の親知らずは歯が生えるはずの歯槽骨という場所に生えていないことが問題となります。

これらの多くの状況が重なって、ちゃんと生えないことが腫れてしまう大きな要因のようです。また、頬などの粘膜が近いため腫れが広がりやすい傾向にあります。

生え方にもよりますが、親知らずの場合は抜歯をすることも早めに検討されます。ただ、親知らずであってもその原因はプラークです。日頃の適切なブラッシングがポイントとなります。

癌の場合

舌癌で芸能人の方が大変な想いをされたという報道がありました。部位は違いますけれども、同じ口腔内で歯肉にも癌ができることがあります。その場合は扁平上皮癌などとも呼ばれます。

これはもう、自分でどうにかできるものではないので専門医とご相談していただくことが先決だと思います。

癌にならないように、日頃から身体が酸化しないように気をつけてほしいと思います。

歯茎が腫れた時に自分で出来る対策とは?

歯茎が腫れるという状況には、様々な病態が絡んでいることがお分かりいただけたと思います。

そのような中で、自分でできることで最も重要なことは「適切な処置を行う」ための正しい選択することになります。ですから、これまで様々な病態があることをお知らせしてきた訳です。

歯医者へ行くということは前提として、なかなか時間が取れない場合や恐くて行かれないとい場合には、応急処置として次のような場合の時のみ自分で対処を試みることが可能です。

  • 歯肉炎
  • 歯周病のケア
  • 軽度の火傷や外傷

これらのうち、感染症である歯肉炎と歯周炎については、感染の除去が必要になってきます。そして、その代表的な処置方法が正しいやり方で行われた「歯磨き」です。

(こちらの記事も参考にしてみてください→歯にヤニが付着する3つの原因と歯の着色を取り除く効果的な歯磨き方法とは)

稀に口腔カンジダ症やヘルペスが歯肉炎と分かりにくいときもありますから、安易に消炎鎮痛雨作用のある軟膏を塗るといったことをせずに、優しい歯磨きを心がけてください。

火傷や外傷の場合も感染がないものの同様の事がいえます。腫れているので余計に汚れがとどまりやすく、炎症を強めやすいので丁寧に歯磨きをしてのらえたらと思います。

お口の中での出来事なので、どうしても軽視してしまいがちになってしまうのですが、炎症があるという状態はできるだけ避けなければいけません。セルフケアが上手くいかなかったら早めの受診を忘れないでくださいね。

歯科医院で行われる治療にはどのようなものがあるのか?


実際に歯科医院で行われる治療について、少し解説したいと思います。どんなことをするのかよくわからない状態では、恐くてなかなか足が向かないと思いますので、ぜひご覧いただいて少しでも不安を和らげるお手伝いができたらと思います。

消毒


腫れているところの感染レベルを下げるために、患部を消毒することは有効な手段になります。

ただ、これまでにもお伝えしたように、菌の多くは口腔内では「バイオフィルム」に覆われてしまっています

ですから、普通に消毒をするのではなく、多くの場合では超音波スケーラーといわれる器具を使って、バイオフィルムを壊してしまう必要があります。さらに、残ってしまっている汚れを除去します。また、この器具によってキャビテーションという効果も期待します。

キャビテーションというのは「空洞現象」を起こすものです。といってもわかりにくいかと思いますが、簡単に言うと泡をたくさん発生させてくれることをいいます。

口腔内細菌のうち歯茎を腫らす多くのものは酸素が苦手な嫌気性菌といわれています。そのため、患部を攪拌し発泡する事で酸素濃度をあげて、それらの菌を退治しようとするものです。

この操作の後には消毒液による洗浄を行うことがあります。この際に使われる薬剤は歯科医師の裁量に任せられることが多いのですが、主に使われるものはつぎのようなものがあります。

消毒に使われる薬剤

  • 次亜塩素酸水
  • ヨード
  • クロルヘキシジン

次亜塩素酸水は殺菌効果を有していながら、出荷前の野菜の洗浄などにも使われているなどある程度の人体への安全性が確認されています。

ヨードについては、嫌気性菌に有効であることは明らかになっているようなのですが、5分ほど作用させる必要があるため用途を考える必要があります。また、甲状腺疾患をお持ちの方には一部禁忌となっているので注意が必要です。

これらの他には、エタノールや過酸化水素水などがありますが、いづれも粘膜には使用してはいけない薬剤となっています。

心配なことがあったら歯医者さんに聞いてみてくださいね

歯周治療


歯周治療の大まかな流れは以下の通りです。

歯周基本治療の流れ

  1. 保健指導
  2. モチベーション向上
  3. 口腔衛生指導
  4. スケーリング
  5. ルートプレーニング(SRP)
  6. 咬合調整
  7. 抜歯
  8. 虫歯の処置
  9. 残寒固定

これらは歯周基本治療といわれているもので、古くからこの方法は確立され治療効果も証明されています。これらを行っても効果が現れない場合は歯周外科治療を検討することになりますが、近年の研究で外科手術をした場合としない場合では5年で差がなくなるということがわかっています。

ですので、諸外国および一部の国内の歯科医院では歯周外科を行わないという傾向になってきています。

投薬治療


歯茎の腫れの原因が細菌感染である場合、そして腫れが大きかったり時間が経過してしまっていたりすると、大概は歯から遠いところまで炎症が及んでしまっていることがあります。

そのような場合は、根やその周りの治療のみではもはや届かないので、炎症を抑える効果が得られないことがあります。

そのようなときは、用法や試用期間に十分に注意して抗生物質や消炎鎮痛剤を服用して全身から歯茎の腫れに対する処置を行うことになります。

痛み止めだけではなかなか腫れはひかないんですよ!

まとめ


いかがでしたか?

自分で処理できるのは歯肉炎や歯周病の一部、火傷や外傷の経過観察など、が可能であることを知っていただけたかと思います。

もちろん、自分の考えであれこれやってしまうのも構いませんけれども、できればまずは歯科医院に受診してくださいね。
そのことが前提の上で、今回お話した内容があなたの歯茎の腫れに対して良い効果が出てきてくれることを願っています。

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おくちせれぶの発起人。自分の歯並びや口臭などにコンプレックスを抱えている。世の中の間違った「歯」の問題を解決するために現役歯科医とタッグを組み情報を提供中。

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