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唾液の作用について

口臭

唾液の作用がもたらすお口の意外な健康効果とは?

更新日:

こんにちは!おくちせれぶです。
今回お話するテーマは「唾液の成分について」です。

「人より虫歯が多いけど、もしかして唾液の成分に問題があるのかな?」

「唾液に血が混ざっていたけど大丈夫かな?」

「風邪をひきやすいのだけど、唾液の抗菌作用や保護作用がダメなのかもしれない」

口の中を潤わせている唾液について、いろいろな作用があるとは聞くけれど実際にはどうなっているのだろう?と疑問に思う方も多いと思います。

寝ている時のさらさらしたヨダレにも意味があるのかな?

ただの水分かと思われがちな唾液ですが、実は

  • 食べ物を飲み込みやすくしてくれる
  • 酸性度を調節して緩衝的な作用をしてくれる
  • 酵素(アミラーゼ)を含み消化を助けてくれる
  • 口臭予防をしてくれる

などのさまざまな作用も担ってくれています。(こちらも参考になります→クリアクリーン:オーラルケア情報

この他にも唾液には重要な役割がたくさんあることがわかってきています。

そこで、今回は唾液の成分や作用などについて詳しく解説していきたいと思います。

意外な働きに驚かれるかもしれませんよ

では、まずは唾液にはどのような成分が含まれているのか?ということから見ていきましょう。

唾液は水分だけじゃない!健康を守るこれだけの成分

唾液は三大唾液腺と粘膜にある小唾液腺から産生される分泌液です。

三大唾液腺には

・耳下腺
・顎下腺
・舌下腺

があり、それぞれの唾液腺から分泌される唾液は粘性などの性状に違いにより、ベトベトであったりさらさらであったりします。

また、唾液は口腔内で歯肉溝滲出液に含まれる液体やタンパク質を補う役割も持っていて、1日におよそ0.7~1.5リットルが産生されるといわれています。

(参考:サンスターM&Bスクール

男女による性差はほとんどないといわれていますが、年齢による差や栄養状態、服薬などの影響を受けて個人差がみられることもあります。

唾液の成分の割合ですが、99.5%が水分でできています。そして、その他の構成成分は主にタンパク質・糖タンパク質・無機質から成ります。

残りの0.5%の構成成分を詳しくみてみますと、わかっているだけで次の成分が含まれています。

  • カルシウム
  • リン酸
  • 重炭酸塩
  • アミラーゼ
  • リゾチーム
  • ラクトフェリン
  • ラクトペルオキシダーゼ
  • 抗体
  • 凝集素
  • ヒスタチン
  • プロリンなどのタンパク質
  • スタテリン
  • ムチン
すごくたくさんあるんだね!
この他にも500種類以上の常在菌がいるといわれてるのよ

これらの成分や分泌量は口腔内の活動によって変化します。

安静にしている時と何かを噛んでいる時は異なりますし、食べ物によっても唾液分泌の刺激のされ方が変わってきます。

では、それぞれの成分が、どのような作用をするのかをみていくことにしましょう。

唾液の各成分が口の中で及ぼす作用について

唾液は口腔環境のバランスを維持するために必要なものです。もし唾液がなかったら、食べ物の残りカスを洗い流すことはできません。また、歯の再石灰化や細菌の増殖を防ぐことも難しくなってしまいます。

まだ全てが解明されてはいませんけれども、唾液の各成分が担う働きについてこれからお話ししてゆきたいと思います。

各成分の主な作用は次の通りになります。

 

潤滑作用・洗い流し効果:水分
緩衝作用:カルシウム塩・リン酸塩
触媒作用:酵素(アミラーゼ・ムチンなど)
抗菌作用:抗体・ラクトフェリンなど

ということで、これから各成分の作用について詳しくみていきます。

身体は酸化を嫌いますが、お口の中も酸性にならないように信じられない働きで中性を保とうとしています。

その一番手が唾液です。いったい唾液にはどのような成分が含まれていて、お口の健康を維持しているのでしょうか?

唾液中の水分の潤滑作用や洗い流し効果

唾液中のほとんどを構成する水分にはこのような役割があります。

潤滑作用
洗い流し効果
この効果のおかげでた

唾液が担う潤滑作用とは、口腔内の粘膜を潤して湿った状態を維持することで、口に入った食物を効率的に分解することや硬い食物で粘膜が傷つくようなことを防ぐことをいいます。

もし口腔内が乾燥してしまうと、舌では糸状乳頭が伸びてしまい食べ物がひっかかりやすくなってしまいます。また食物や歯が粘膜にひっかかり傷ができてしまいやすくなってしまいます。

洗い流しの効果については、食べ物や酸・細菌を洗い流すことをいいます。また、歯の汚れ(プラーク)の酸性度は細菌の種類と炭水化物の利用量よって決まってしまうので、唾液によって炭水化物が速やかに洗い流されることは虫歯などのリスクを下げてくれる働きをします。

 

このような働きを「クリアランス」と呼び、その速度は炭水化物のタイプ(ショ糖やスクロースなど)・唾液分泌量・口の動きなどによって変動するものです。

 

カルシウム塩・リン酸塩の緩衝作用

口の中の酸性度は食事の前後で酸性や中性やアルカリ性と様々に変化します。しかし、s口腔内のpHでは歯が溶けることはありません。

なぜなら、唾液中のカルシウム塩とリン酸塩という物質が過飽和な状態にあるからです。

唾液中にたくさん溶けているということですね

 

ちなみに、上の奥歯の脇の部分や、舌の近く(下顎前歯の裏側)に歯石がつきやすいのはカルシウム塩が過飽和であるためだよ

また、唾液中で重炭酸塩は炭酸水素イオンとして存在していて、水素イオンと反応してpHが低くなりすぎないように調整しています。

たとえば、虫歯を作る口腔内細菌が酸を産生する時や、酸っぱいものを食べる時など、酸が産生されるときに緩衝作用を行います。

 

口腔内のpHが下がって酸性になってしまわないように中和してくれるんですよ

また、タンパク質や無機質も水素イオンと反応してpHの低下を防ぎます。

このようにして、口の中が酸性のままでいないように働く鑑賞作用は非常に重要な機能だと考えられています。

アミラーゼ酵素の触媒作用

唾液が消化に関わるものとして働く際には、まずアミラーゼ酵素がデンプンを二糖類に分解する触媒作用を行います。これにより、唾液は食物分解を開始します。

”しょくばい”ってなあに??
何かに働きかけて分解することだよ

アミラーゼの他にも、唾液中のタンパク質はプロリンに富んでいます。

これはスタテリンと共に歯面に付着して、微生物とも結合するのですがが、主にカルシウムバランスを調節して初期の脱灰を軽減させる役割をします。

ただ、プロリンは糖化の影響を受けやすので、作用が弱まってしまうことが考えられます

ムチンの粘膜保護作用

高分子量の糖タンパク質であるムチンは唾液の粘性を上げるものとして知られています。

あのネバネバのもとですね!

このムチンが粘膜の潤滑と保護に重要な役割を果たしていて、粘膜の保護作用を担っています。

また、細菌を凝集することも行なっていますし、口腔内防御に関する他の小さな分子を運搬するなどの働きも担っているといわれています。

抗体らの抗菌作用

抗体は細菌や他の部生物に結合して酵素を中和したり、細菌を凝集したりして唾液に混じることで飲み込まれやすくします。

抗体は免疫グロブリンとも呼ばれる高分子で、口腔内微生物に対する防御を担っています。また、唾液の抗菌システムとしてラクトペルオキシダーゼなどがあります。

その他、リゾチームは細菌の細胞壁を壊すことで増殖を防ぎ、ラクトフェリンは鉄と結合することで増殖の阻害をします。

まとめ

いかがでしたか?

唾液の成分はほとんど水分ではありますが、わずかな成分でも重要な働きをしていることがおわかりいただけたと思います。

もちろん、唾液の成分だけに頼って歯を磨かなければ、鑑賞作用の能力を超えた細菌の害によって口腔内の健康は維持されなくなってしまいます。

また、口腔内の健康はその後に続く消化管にも影響があることが明らかになってきていますので、唾液の成分が適切に分泌されるよう規則正しい生活を心がけてほしいと思います。

適切に分泌された唾液とそれに含まれる数々の成分は、外部との連絡のある口を守るだけでなく、身体の健康の維持にも欠かせないものだと考えられています。

ですから、唾液をちゃんと維持して風邪のウィルスの侵入を防ぐことはもちろんのこと、虫歯などから歯を守っていただきたいなと思います。

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おくちせれぶの発起人。自分の歯並びや口臭などにコンプレックスを抱えている。世の中の間違った「歯」の問題を解決するために現役歯科医とタッグを組み情報を提供中。

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